「パブロ・ディエーゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」
名前だけで凄い。もうカオス・ピカソでいいじゃん。
てか本人も自分の名前ちゃんと覚えてなかったみたいですね。そりゃそうなるわな。
それは置いといて、ピカソピカソってよく言われるけど、あの絵の何が凄いのか分からないっていう方は多いんじゃないかと思います。
確かにピカソの有名な作品を見ると、パッと見お世辞にも上手いとは感じないと思います。ていうかむしろ子供のラクガキみたいで下手だと感じます。
実際僕もピカソってどこが凄いんだろうって思ってました。
絵の世界って、自分と周りとの温度差が一番激しい分野だと思います。
なので、あの絵のどこが凄いのかを具体的に解説していきたいと思います。
ものの捉え方
例えばこちらの「泣く女」という作品。
この作品ではそのタイトルの通り泣く女を表現しているのですが、僕が「泣く女」を描こうとすると、目から涙を流させて、目のふちを指先で拭っているような絵になると思います。
てか多分泣くってそれくらいにしか捉えられないと思います。
しかしピカソの場合は絵の中心にドンと青い悲しみの色を置いてます。
まずこの時点で発想が全然違います。
そしてカクカクした線でハンカチを食いしばっている状態を表現しており、すごく悔しそうに泣いている感じが伝わってきます。口元を見てるとキィィィ〜と聞こえてきそうです。
そして目はウルウル泣いています。
目だけを指で隠すとめっちゃ悔しそうなのに、指を外して全体を見ると何とも言えない絶妙な泣き具合になります。
僕からすれば、泣くという行為をこんな風にオリジナリティを溢れさせて表現できるピカソはやっぱり天才だなと思います。
表現力
次にこちらも超有名な「ゲルニカ」という作品。
この作品はスペインのゲルニカという町で起きた無差別爆撃をモチーフとして書かれているらしいです。
要は戦争の悲惨さについて表現された絵なんですね。
そして見てください、このゲルニカという絵。
このおどろおどろしい無秩序さ。
地面に仰向けに倒れている人、這うような前傾姿勢で逃げるかのように進んでいく人、牛や馬などの動物も入り乱れ、逃げたい意識が爆発したかのように顔だけが建物から飛び出してきている様子。
戦争の生々しさ、おぞましさをこれ以上ないくらいに表現していると感じます。
子供のようなタッチで描かれているのも、また怖さを助長させています。
さっきの泣く女に通ずる部分もあるのですが、ピカソという画家はこの表現力というものが他の画家とは次元が違うと思います。
ピカソにしかできないオンリーワンの表現だと思います。
下手くそに描く技術
今度は技術的なことについてなのですが、実はピカソってめちゃくちゃ絵が上手かったんですね。
ピカソが14歳くらいの頃に描いた作品がコレなんですけど、さっきまでの絵と全然違います。
で、そんな絵がめちゃくちゃ上手な人があんな下手くそな絵を描くのって、めちゃくちゃ難しくね?ってことです。
僕もピカソみたいな絵を描こうとしたことがあるのですが、どうしても線が綺麗になってしまいます。
結局無理だなと諦めました。
なので、上手なのに下手くそに描くという実はかなり高等な技術をピカソは持っていたんだと思います。
あれは立派な技術だと僕は思います。
一回やってみたら分かると思うのですが、あんな幼稚園児みたいな絵を描くのって、めちゃくちゃ難しいです……。
まとめ
というワケで色々と書いてきましたが、僕はやはりピカソで一番凄いと思うのは表現力です。
ピカソの絵を見るたびに、僕がその絵のタイトルを思い浮かべたとしても絶対にこんな表現はできない。思い浮かばないと常々思います。
他人とは違う目を持った、まさに芸術家だと思います。
しかも生涯でおよそ15万点の作品を作ったみたいです。
本当にズバ抜けた天才だったんだなぁと思います。
以上が僕が思うピカソの凄いところでした。
しかもピカソって自分の絵の価値の高め方も考えていたらしく、ビジネスマン的な視点も持っていたからこれほどまでに成功したんだと思います。
僕もアーティストの端くれとして、ただ良いものを作るだけじゃダメなんだなと思わされます。
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