僕は人と喋っている時に顔が引きつります。
引きつっちゃダメだと思うと更に引きつります。
そして人と会うのが怖くなりました。
この症状が発症したのは、おばあちゃんが亡くなったぐらいの頃からです。
大学を卒業する2ヶ月ほど前におばあちゃんが亡くなりました。
僕はおばあちゃん子でしたし、とても悲しかったです。
その頃から、表情が少し変だなと思うようになりました。
友達などと話している時、不意に顔が引きつることがありました。
しかしその頃はそれほど気にはしていませんでした。
社会人になってから悪化
問題は社会に出てからです。
社会に出ると一気に会う人が増えました。
そして人と会う時、自分の表情のことで相手を不快な気分にさせないかということをよく気にするようになりました。
そして気になりだしたら人と会う前はいつも緊張するようになりました。
顔のことばかりを気にするようになりました。
悪いサイクルが完成しました。
それからというもの、人と食事をする時はテーブル席ではなく、お互い顔をつき合わさないカウンター席の店を探すようになったり、人と会った時に顔が引きつりそうだと思った時はしゃがんで靴紐を結ぶなどして顔を見られないようにしていました。
顔がニヤけてしまう
次の症状は少し遅れてやって来ました。
最初は顔が引きつるだけだったのですが、次第に今度はなんでもない状況で顔が笑ってしまうようになりました。
笑うというよりニヤけるという感じです。
真剣な場だと特に笑いをこらえるのに必死になります。
相手のことをバカにしている訳でもなく、何もおかしいことがないのに笑ってしまうのです。
なので会議の時などはひたすら手帳にメモを取るフリをしてずっと下を向いていました。
人と喋っていると不意に顔が引きつりそうになる。
なんとか誤魔化すと今度はだんだん笑いそうになる。
それを我慢しようとすると突然顔が引きつりそうになる。
日常生活でこの二つの症状が行ったり来たりする毎日を過ごすうちに、もう人と会うのが嫌になりました。怖くなりました。
マスクをつけるようになった
社会に出て半年くらいなんとかやってきてはいたものの、ちょっともう無理だと思いました。
実を言うと自分の心の中には、この症状に打ち勝ってやるという強い気持ちがありました。
そしてあえて自分から人がいる場に飛び込んだこともありました。
しかし状況は良くなりませんでした。精神的にもキツかったです。
なので、ある時からマスクをするようになりました。
会社に行く時や、どこかへ出かける時などにマスクをしていたのですが、マスクをするようになってからかなり気持ちが楽になりました。
顔のことを何も考える必要がなかったので、以前のような自然体で普通に過ごすことができました。
しかもマスクをしていると、マスクをしていない時と比べて人と喋っている時にあまり顔が引きつらない感覚がありました。
やはり周囲の視線が気になっていたのでしょう。
マスクをするようになって以降生活がとても楽になり、マスクは僕の必需品になりました。
病院に行った
それからしばらくマスクをつけたりしながら生活していたものの、向かい合って食事をする時など、マスクをしないで人と接する機会もやはりありましたし、なぜ何も悪いことをしてないのに僕がこんな症状に苦しんでいるんだという劣等感というか悔しい気持ちみたいなものもありました。
一向に良くならないこの症状に耐えかねて、ついに僕は病院に行くことにしました。
この症状が発症してから1年半くらい後のことです。
病院に行くとカウンセラーの方が丁寧に話を聞いてくれたり、医師の方に病名を診断してもらって薬を出してもらったりと、少し希望が見えてきたような気がしました。
しかし僕は病院に通い始めて1、2ヶ月後に突然病院に行くのをやめました。
この時なぜ病院に行くのをやめたのか、ハッキリと自分でも分からないのですが、多分精神病院に行くことの劣等感や、薬を飲むことの怖さや、何も悪いことをしてないのに何故こんなに苦しんで、しかもお金まで払って治さなければいけないんだという、ちょっとした自暴自棄のような感じがあったのだと思います。
一冊の本と出会って少し気がラクになった
その後病院に行かなくなってから半年間くらい、これまでのように悩み苦しんでいました。
ある日ふと良くなったと思う時があり、1週間くらい好調な時がたまにあるのです。
でも結局良くなったと思ったのも幻想で、また表情が悪い方へ勝手に動きだす日々へ逆戻りです。
しかしある本を読んだことがきっかけで、症状が良くなりました。
そしてそれは一過性のものではありませんでした。
完全に治ってはいないものの、以前よりは確実にこの病気が改善しました。
その本はこちらの「嫌われる勇気」という本です。
この本がどういう本なのかという説明は省きますが、この本を読んだおかげで他者の目をこれまでのように過度に気にすることがなくなり、以前よりは肩の力を抜いて生活できるようになりました。
嫌われてもいいんだと思えたことで、周りの目が以前よりは気にならなくなりました。
もし僕と同じような症状で悩んでいる人がいれば、一度読んでみることをオススメしたいです。
自分と向き合い始める
しかし本を読んで症状が軽くなったとは言え、依然日常生活に支障をきたすことに変わりはありませんでした。
症状は軽くなっただけで治ってはいませんから。
いつも会社に行くときはマスクを付けてますし、人と会う約束なんかをすれば、やはりストレスを感じていました。
そして更に2年ほど月日が流れ、仕事やプライベートが全然うまくいかず、精神がズタボロな時に、
(あぁ、自分は何をやってもダメな人間だ。しかも人とまともに会うこともできないから、もうこの世界では生きていけない)
と思い、真正面から自分の厳しい現実と向き合わざるをえない状況になりました。
そしてしばらくして半ば諦め、もうこういう自分を受け入れて、こういう自分と付き合っていこうと思い始めました。
泥沼の中
しかし、自分を受け入れてこういう自分と付き合って生きていこうと思っていてもどこかでこの症状が治ることを期待しており、症状の改善を期待している時点で結局顔のことに囚われており、この病気の泥沼からは全く抜け出せない状況が続いています。
この症状が治ってほしい、また普通に人と喋りたいというのはやはり自分の心の中の願いであり、正直な気持ちなのでこれを覆い隠すことはできません。
その結果、ずっと顔のことが頭から完全に離れることはないのです。
この症状が治ってほしいと思えば思うほど、この症状に苦しむのです。
とりあえずまとめ
以上ざっくりと僕のこの症状と、それを克服しようとしてきた日々などを振り返ってきました。
僕と同じような症状で苦しんでいる方がいれば、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
ほんと、あまり考えすぎない方がいいと思います。(それができりゃ苦労しないんだっていう話なんですけどね……)
考えれば考えるほど顔のことが気になるので、思いきって別に嫌われてもいいやって感じでテキトーに人と話すと、あれ?そういやあんまり顔のこと気にならなかったなと思うことがあるのかもしれません。(それができりゃ苦労しない……)
僕もまだまだこの症状と共に人生を歩んでいる最中なので、また進展があればこの記事を更新しようと思ってます。
とりあえずこの辺で。
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